「世界を見よう それが人生の目的だから」時間の大切さを感じた映画『LIFE!』の 感想
『LIFE!』(原題: The Secret Life of Walter Mitty)2013年のアメリカ映画。ジャンルは叙事詩的コメディドラマファンタジー映画。(Wikipediaより)
「自粛中に家から旅に出る」とういテーマでとあるYouTuberさんに紹介されていたので気になって早速見てみました。ネタバレは含みませんが、神経質な方は自衛してください。
危険でも立ち向かおう 壁の裏側をのぞこう
もっと近づこうお互いを知ろう
そして感じよう
それが人生の目的だから”
作中の雑誌、『LIFE』のスローガンでもあるこの言葉は、この映画のテーマでもあります。
子供の頃は好奇心が旺盛でなんでも恐れずに試すことができたことも、大人になるとなかなか実行に移すことができず頭の中で空想の世界へ飛び立つばかり。
きっとこういう人はたくさんいるのでしょう。(かくいう私もそうですし、なんならその想像力さえどんどん失われていく・・・)
自粛ばかりの生活で、時間はあるはずなのにその時間をただ浪費していく。忙しいときは時間があれば、あれもしたいこれもしたいと思うのに、いざ時間が与えられるとなかなか何も手につかない。そんな毎日に自己嫌悪していたところで、自分の時間の使い方を改めて見直したのが昨日。
2週間分の1日の時間の使い方を全て書き出して、生産的に使われている時間、生活において必要な時間、無駄な時間(この時間は他のことに回してもいいと思える時間)に分けてみたところ1日4〜9時間は無駄な時間を過ごしているなということに気づきました・・・。もちろん仕事が再開すればまた変動はするのですが。
主人公は必要に迫られ、世界を旅することになるのですが、その過程で昔得意だったものを思い出したり、頭を使って慣れないことや限界に挑戦したり、試したことで達成感や自信を得たりしていくのですが、主人公は私のような”無駄なこと”に時間をさいてはいませんが、私のこの無駄な時間は何か新しいことに挑戦したり、本を読んだり、それこそ世界を知る時間にできるのにな。時間がないと思っているのは怠慢で行動していないだけなんだと。命をかけるようなことではない小さなことすらするのを辞めてしまっているのだなと改めて実感しました。
作中は素敵なセリフがたくさんあり、きっとそれらは観る私たちにメッセージを送っているんだろうなと思います。
キーパーソンであるカメラマンが主人公に言った言葉でとても印象に残った言葉があります。
その一瞬を大切に味わう。今を楽しむ”
この言葉はカメラマンである彼の言葉であることにとても意味があり、写真を撮ることが日常となった現代においてすごく意味のある言葉なのではないかと感じました。
どうしても人は未来や過去のことを考えて生きていて、今という時間を感じる事はとても難しい。でも今がないと過去も未来もないわけで五感で体感できる今という瞬間を大事に楽しめ、ということを考えさせられました。
もしかしたらこの映画は見ているひとりひとり違う受け取り方をするのかもしれません。
私には、とにかく行動すること、時間を大切にすること。と言われたような気がしました。
かと言って焦らしてくるような映画ではなく、映像はいろんなところを旅する時の奥行き、色合いがとても透明感があり、実際に旅をしているような空気まで感じることができ、逆にゆったりとした時間の流れを感じる。音楽も落ちつた雰囲気のものが多く、中でも使用されているJosé Gonzálezさんの曲が素敵で
歌詞もとても素晴らしいです。
David Bowie のSpace oddityも使用されていて、Bowieの曲は好きでしたが、恥ずかしながらちゃんと歌詞の意味まで考えたことがなかったので改めて歌詞の意味を知りすごく感慨深い気持ちになりました。
せっかく感じた時間の感じ方、考え方、観ただけで無駄にならないように色々試してみようと思います。
ゲームほとんどしたことのない私が今更デスストランディングを初めてみた。
”自粛中に初めて良かったと思えるゲーム”
※ネタバレは避けているつもりですが、神経質な方は自衛してください。
私のゲームスキル
・テレビゲームはほとんどしたことがない
・なのでそもそもコントローラーの使い方が曖昧。(ex.L1どこ、□と○押し間違える、と言った状態)
過去にしたゲーム
少しだけモンハン、戦国BASARA、シャーロックホームズ(悪魔の娘)をかじったことっがある。
※BASARA皇、モンハンは連れて行ってもらう程度。幸村伝だけかろうじてクリアした。
ホームズのゲームはアクションシーンは人任せ。推理シーンだけ担当。
そんなゲームど素人の私が初めて人の手を借りずに始めたゲームです。
そもそもなぜ興味を持ったのかと言うと、ライブドアニュースとなむさんが配信する<〇〇のプロと行くゲーム散歩>というシリーズの「歩荷といくデスストランディング」を観てのことです。
テレビゲームはしないけれど実況を見るのは好きでとくに考察系は結構色々みていました。
そんな中で知ったゲームさんぽシリーズ。ゲームの本筋とは違うところでそれぞれの専門家を招き、専門家の目線でゲームの世界を散歩する。と言うシリーズです。
これがとても素晴らしい企画で、景色が全く違うものに見え、この人たちにとってはその様に見えているのか、と鳥の目を借りた様な、新しい見解があり、またそれが今後の自分の人生感をも変えるきっかけになる様な、そんなきっかけを与えていただける、ちょっとした講義の様な企画です。余談ですが視聴者には私の様に普段ゲームをしない人も大勢いる様です。
そもそも歩荷という職業すら知らなかったわけですが、その目線で見てもリアルで、人との繋がりや世界観がとても素敵で、自然も美しいしちょっとやってみたいな。と思ったのがきっかけです。歩荷のアキモトさんの穏やかな性格で語られる歩荷と山の世界に魅せられておもわず始めてしまいました。
なので具体的にはどういうゲームなのか知らないままとりあえず、荷物を届ければいいんでしょ?くらいのつもりで始めました。(とりあえずゲーム慣れしていないので一番簡単な設定で始めました)
Tomorrow Is In Your Hands
「デス・ストランディング」は世界を変えた。人類は分断され、孤立した。
サム・ポーター・ブリッジズは、未来への希望を手に、世界を再び繋ぐために歩きはじめる。
ゲームの公式のコピーですが、このゲームが発売されたのは2019年の11月8日(どうでもいいけど私の誕生日)、このゲームが発売されたときはきっと今のような世界になるとは思っていなかったと思います。
ゲームの中で人々はとても親切で、未来を願い生きている。孤立した人々と言う点を主人公が線で結んでいく。
外に出ると天気はよく、世界こんなに晴れやかなで美しいのに、いつ来るかわからない見えない脅威に怯え外出もままならない。それでも人と繋がり、一人の力ではなし得ない希望を共につないでいく。
それは今の世界のようで、そしてこれからの私たちに向けられたメッセージのようにも思えました。
そしてこれまでのあり方や人種に囚われず、皆が協力して、命を尊重し武力に頼らず少しでも良い未来になる様に。そんな願いが込められている様に感じました。
いざ始めてみるとストーリーが複雑。涙なしには見れない。
アクション要素もあるしややホラー(ぽい)要素もある。
結構リアル。メインのストーリーは同じでもいろんな楽しみ方ができるのがこのゲームの素敵なポイントの一つであると小島さんと2BROさんとの対談でも話しておられました。
私は他のゲームと比較できるほどのデータがないのでなんとも言えないですが、人によってはリアルさがもどかしかったりもするみたいですね。川に流されたり、転落死したり。荷物が破損したり・・・。
単に景色が素敵で外に出られない今、本当に登山しているような気持ちになれる。
通信や道がないので自分で一歩ずつしか勧めないと言う本来の人間としての能力を自覚する。
だから協力する。
オンラインを通して善意の人の存在を感じる、孤独じゃないと、姿は見れなくてもつながっているということを感じることができる。
感謝されることに喜びを感じる。
主人公の心の成長を通して人々の生きてきた物語を知る。
隠された伏線の回収、荷物を届ける、道を作る、アクションゲームとしても楽しめる。山道を開拓する。
等いろんな楽しみ方のできるゲーム。
もちろん音楽も素敵。
そして初心者にも優しい・・・
それぞれの名前に意味(役割)があり、それぞれの技術や能力が生かされていく。皆世界を作る一端であると、そして敵(便宜上)にもそれぞれのストーリーがあってそこにいるということ。最初は見えなかった世界が線になることでつながっていく。壮大な映画のようなストーリーだと思います。
きっとこの騒動が落ち着いた後、これまでの世界と経済、社会、人との繋がり方も変わっていくように思います。その世界の中でどうやって生きていくべきなのか、何を大切にし、何を選んでいくのか、そんなことをゲームをしながら考えました。
後日、内容について考察というか感想を書けたらいいなと思います。
桜の木の下には…
そんな世界観が広がる「ディオール、パリから日本へ」展。
見に行って参りました。
本当に素敵でした。無料と言うのが信じられない…
日本の伝統や文化から着想を得たオートクチュールドレスと、現代のアートと融合したレディディオールのバッグ。そして職人さんたちの素晴らしい技術が伝わるアトリエと。
以上3つの構成で展示されており、無料のアプリ音声ガイドも一緒に楽しめます。なんと写真も撮れます。
お洋服が好きな方、デザインやアートが好きな方、物作りが好きな方。どの角度で見ても楽しいのでは無いかと思います。
ジョン・ガリアーノ、ラフ・シモンズ、マリア・グラツィア・キウリのデザインする日本へのオマージュドレス。
配色も浮世絵の様な世界観や日本庭園・家紋などから着想を得たコレクションの様で日本人にもとても馴染みが深いテーマでした。そして海外ならではの日本の捉え方や色の配色と見事に融合しており幻想的な空間になっておりました。
デザイン画も一緒に見れるのでとても嬉しい。
■アート
レディディオールのバッグをモチーフにしたアート。
同じテーマだからこそそれぞれの作品の素材や表現の違いが沢山楽しめます。
■アトリエ
職人さんたちの技術工程のダイジェストが映像で楽しめます。そして同じ道具を実際に展示しています。(本来は実演もあった様です)
物を作るのが好きな人はこれを見るだけでもとても勉強になるのでは・・・
本当に作業がとても丁寧で一流の人たちが一流の技術で作っているのだな、と言う美しさを感じました。
所労時間は1時間弱程度。平日の朝はゆっくり見れました。
鍼灸学科一年目で進めたい本
鍼灸の学校に一年目に買って良かった本をまとめます。
試験や実技についてもボチボチ自分のためにもまとめたいなと思っています。
そもそも学校で試験のために勉強すると言うことが久々すぎて学校やテストに慣れるのに振り回された一年でした。
そんな今は感染症で早めに休校と相成りました。
■一年目にお勧めしたい
▶︎是非手元に置いて欲しい本
オールカラー版 基本としくみがよくわかる東洋医学の 教科書
教科書のサブになるような本
ポイントが分かりやすく纏められており、東洋医学についてだけではなく漢方、鍼灸の基礎知識についても簡単に載っているので教科書の説明だけより別角度からの説明を読むことでより分かりやすくなりました。
ツボ単―経穴取穴法・経穴名由来解説・〔ユ〕穴単語集
持ち運ぶのに便利です。そして取穴にお勧め
経穴の名前の由来も載っていて各ツボのイメージがしやすいです。
筋肉や骨と一緒に書いてあるので細い場所を具体的に確認できます。取穴の関連穴や横並びも確認できるので便利。
部位ごとに纏められたページもあるので近いところ経穴の整理にも役立ちました。
※私の持っているのは部位が一つ前の表記のものなので、覚える際は教科書と照らし合わが重要です。例えば)「外方1.5寸」→教科書「外方1尺5寸」等
これは筋肉とツボの関係を理解するのにも良さそうです。
カラー版経穴マップ第2版イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼
ツボ単を買う前に買いました。
最初筋肉や骨などたくさんカラーだと情報量に目が疲れたので、カラー版の前に出ている白黒の本を購入。(古本とか出ています)ツボ単に比べると目から入る情報量は少なく厳選した本当に重要な点をまとめている感じです。シンプルに見やすく流中を理解するのには最適。
カラー版とモノクロ版は好みによるけど中身は殆ど同じです。一応私は見比べて、脳の処理問題として単色を選びましたが、好みでいいと思います。
これは買って間違いない一冊。主に筋肉と支配神経を調べるのに使用しました。
入学してすぐに学校からも進められましたが、なにぶん高いので思い止まっていたのですが、
筋肉を勉強するにあたり購入しました。
教科書と起始停止の表記がやや違うのでこれは確認が必要ですが、教科書だと説明しか載っていないところを一つずつ外側から内側にかけて筋肉を外した状態で載せられているのでイメージがしやすい。
動きについても収縮したらこう動くんだろうなと図を見ながら実際の部位を確認しながらできるので言葉で聞くよりもイメージが定着しやすかったです。最初はネットで探したりしていましたが、手間なので机で勉強するなら紙は楽ですね。
まだ生かせてませんが筋肉以外にも血管・リンパ・臓器も載っています。
▶︎一度は目を通してみてもいいかも
肉単―ギリシャ語・ラテン語 (語源から覚える解剖学英単語集 (筋肉編))
骨単―ギリシャ語・ラテン語 (語源から覚える解剖学英単語集 (骨編))
プロメテウスのアトラスがあるので今のところ使いこなしていなですが、ラテン語・ギリシャ語表記があるので専門書を読んだりするときの医療単語を覚えるのにはとても良かったです。由来というかも載っているので単に暗記するより覚えやすイメージ
あと薄いのでこれまた持ち運びに確認するのには便利です。
カバーを外した中身がおしゃれなので並べてニヤニヤできます。
カラー人体解剖学―構造と機能:ミクロからマクロまで
これは骨と臓器の機能と構造を学ぶのに役に立ちました。多分医療学生用のものではないかと思います。
これも教科書で文字だけのところも実際の解剖写真。骨模型、細胞や組織の写真や図があるので、教科書やノートの内容を踏まえて確認するととても分かりやすかったです。
教科書以外は簡略化された絵で授業がすすんでいたのでテスト前に見返しても絵では分かりにくいところが多く、実際の臓器の形を確認し、より詳しく教科書に載っていないことも載っているので一度目を通してから教科書やノートに戻ると分かりやすかったです。
ソッカの美術解剖学ノート
絵を各のが好きなのでいくつか美術解剖本を読みましたが中でも分かりやすいと感じました。筋肉に沿った体の動きや、男性女性のそれぞれの骨格の特徴など載っている。
解剖学教室へようこそ (ちくま文庫)
養老先生の書籍
解剖の歴史や周辺事情について、解剖学とは何なのかが解説されています。
とても読みやすいし、読み物としてお勧めです。解剖学を具体的に学ぶ前に世界観を理解しておくこともとても楽しくなります。
「進撃の巨人」と解剖学 その筋肉はいかに描かれたか (ブルーバックス)
こちらもお楽しみ。
解剖学への取っ掛かり的一冊。こういう見方でアニメや漫画などを見るのもとても面白いなと感じた一冊です。
何で勉強するか分からなくなってきた頃に読むと楽しめます。
▶︎アプリ
■PCM録音
経穴を始めあらゆるものを録音しました。
最初は目で見て、書いて言葉にしてというような暗記方法でしたが、暗記するものが多すぎるので暗記するものを殆ど声に出して録音しました。
あとは電車とか移動中に聞くだけ。
移動中はなかなか本を出したり単語帳をめくったりすることができないのでお勧めです。
最初はスマホの単語帳を作ったりもしましたが、脱線するので録音にしました。
自分で再生リストや簡単な編集ができるので便利。
自分で声に出すことで一回目を通すし、スムーズに読めなくても詰まったまま撮ることで聞いた時も逆にそのことで覚えられたりします。
■Studyplus
テスト日を逆算で算出してくれます。
勉強プランや何をどれだけ勉強したかなどに使えるのでモチベーションアップや次のテストの時の前回のスケジュールなどが確認できます。同じアプリを使っている人や同じ教科書を使っている人とも共有できるので他の人の頑張りに影響されて頑張れます。
科目ごとの勉強時間などもグラフで出るので目に見えて頑張れます。
自分で本を登録できるので読書とかの目標にも使えます。
■visible body(atlas)
年に数回お得なパックが出るようです。
正直タブレットじゃなければ少し見にくい気はします。タブレットに入れる方がお勧め
プロめてるすのアトラスの方が個人的には使いやすかったですが、動画で筋肉の動きや神経・血管、作用など自分で分解して確認ができるのでめちゃくちゃ便利。書き込めるのも端末ならでは?
来年度はこれをもう少し使いこなしたい。
***
■i-暗記シート
写真を撮って赤シートで見れるので紙をめくらず電車の中とか荷物を軽くしたい時に便利です。マーカーなども引けるので隙間時間の勉強にお勧め。
■単語帳メーカー
自分で単語帳が作れます。
めくる速度や、順番、音声の録音ができるので最初の時間はかかりますが最初にやってしまえば楽だと思います。
個人的には録音+紙の単語帳で十分でしたが。
▶︎おまけ
スマホのカラーフィルタを白黒に設定しました。
試験期間などすぐスマホを見てしまうので白黒にするだけでも手に取る回数はへりましたし、色から受ける目や脳の疲労が少しでも軽減すればと思ってのことでしたがこれは結構お勧め。
スマホ断ちができない人一度やってみる価値はあるかもです。
とりあえず私感としてのまとめですが、また更新・訂正したいと思います。
赤穂義士祭
行ってきました。弾丸日帰り赤穂義士祭。
数年前、吉良邸〜泉岳寺までを歩いたことがあるのですが、土日にお祭りがかぶるとあって念願の播州赤穂にいってまいりました。
一月以上空いてしまいました。しらさわです。空いた期間に見に行った展示などもあったのですがなかなか記事にできず・・・
今回は毎年行われる赤穂義士祭の感想をまとめました。
赤穂義士祭とは
土日の祭りの日でもそこそこゆっくり見ることができる人数だったので普段はもっとゆったりしているのかなと思いました。
見どころや観光名所、地図や昔のルートなど一通りを網羅しているので旅のお供には最適でした。
「神話の世界」展へ行ってきました
神話好きなら一度は見たことあるような作品がゆったりと見れる贅沢な空間でした。
先日のプロメアの話もあってギリシャ神話を読み返したいな、と思っていたのもあり、いろんな話にまつわる作品を見ることができ、いろんな人の捉え方で表現された作品はとても見応えと想像力がかき立てられます。
絵画的なものからデザイン的なもの。写実的なものとデフォルメされているもの。描き込まれたものからシンプルな線や濃淡のみ、単色の組み合わせで描かれたものといろんな描かれ方があり見ていて飽きません。
ピカソ・ミレー・ロダン・ローランサンと有名どころの作家さんも多いのでもっと人がいても良いのではという感じではありました。 神話好きな人はぜひ足を運んで欲しいなと思います。
英ロイヤルアカデミー・オブ・アーツのレイトン氏が言った言葉だそうです。
映画「プロメア」どこにも着地しない深読み。(後半ネタバレあり)
公開後狂った様に見ているプロメアの何がそんなに刺さるのかを考えてみた。
深読みってほど深くはない。
爽快感あって疾走感もあって好きだけど、
STORY
燃え上がるのは世界か、魂かー。
全世界の半分が焼失したその未曽有の事態の引き金となったのは、
突然変異で誕生した炎を操る人種〈バーニッシュ〉の出現だった。
あれから30年――攻撃的な一部の面々が〈マッドバーニッシュ〉を名乗り、再び世界に襲いかかる。
対バーニッシュ用の高機動救命消防隊〈バーニングレスキュー〉の燃える火消し魂を持つ新人隊員・ガロと〈マッドバーニッシュ〉のリーダー・リオ。
熱き魂がぶつかりあう、二人の戦いの結末はー。
遡ること5月、知人に勧められるまま予備知識なしで見に行ったらなんて過激な映画なんだと衝撃を受けました。時間帯的に小学生が多く、「え??大丈夫?」とものすごく不安になった。
とにかくテンポがはやく文字数多めの舞台を見ている様で見応えは抜群。展開もある意味予想できるけどそれがいい意味で大衆演劇ぽい。ただ、本当に粗筋も何もみずに行ったものだから正直展開についていくのがやっとで噛み砕く余裕がなかった。(この段階で知っているのはキャストと制作会社と脚本家のみ)なのでこの後行った友人たちには粗筋だけは読んでおくように散々言ってしまった。
疾走するように見終えたので、終わった後はなんか面白かった気はするんだけど何がどうだったのか???の状態だったので、血迷った結果そのまま次の回のチケットを確保。
二周目へ。
時間帯が程よく夜になっていた事もあり今度は大人が多かったです。
やはりストーリーがわかった上で見るのは違うなと思いながらようやく心落ち着くことが出来ました。
描かれる【30年前】
そして今日までの真実はねじ曲げられたもので、見えてる世界を疑わなかった主人公が真実に直面した時どう言う行動をとるのか、というのはテーマとしてとても好きです。
私に刺さる要素はめちゃくちゃあったわけですが、
全体として
1シーズン普通に作れてしまう内容を約2時間にまとめたのはさすがだなと思います。あの展開をこの時間に構成してしまうのはやはり中島かずき氏脚本だったからこそのまとまり間だったのではないかなと。
劇団新幹線もすごく好きですが、舞台での良い要素とアニメーションでの表現要素の良いところが最大限に引き出されている感じでした。きっと舞台で見ても面白いんだろうな、と思えるお話ですが、背景の奥行きや距離感はアニメーション映像が本当に映えていて実写映画でもこれは違うんだろうなあと。作中で「見栄を切る」動作は歌舞伎の鉄板で、早い展開の物語にメリハリをつけつつ観客に印象を残すのによい仕事をしてました。「説明的なセリフ」とそれに対するツッコミも中島節感があって、ちょっと昔の漫画とかには欄外にやたら説明的なセリフ。とかコメントがつきそうな感じがクスッときましたし、技名をいちいち名乗るが正統派ロボットアニメとか少年漫画のセオリーに則っている形のようで、物語は近未来的なロボットものであっても古典的な手法を使うことによって展開において行かれることなく見ることが出来ました。
音楽も澤野氏、すごくマッチしていて曲だけでもめちゃくちゃ良い。サントラエンドレスで聞いてしまう。
映像は言わずもがなの安定感。個人的には色の置き換えとかデフォルメの仕方すごく好きです。幾何学好きなのでよかったですが、集合体恐怖症の人にはしんどいかも。
そして個性的なキャラクター。尺の都合上詳しくは描かれていないキャラクターたちにもそれぞれの背景が想像でき、主人公と他のキャラとの関係性、他のキャラ同士の関係性。過去だけじゃなく、これからのあり用も見えるようで無駄な人が一人もいないんですよね。このお話、皆がそれぞれ正義で、基本的にはいい人なんですよね、
最後まで見てから最初に戻ると、あの時の話はこれなのかとか、伏線からの妄想も広がるわけで。
内容について
人道的な方向から思う
※ここから一部暗め(?)の内容です。
前半に書いた衝撃を受けた理由と胸糞の部分と子供大丈夫?にかかる話ですが、最初に見たとものすごくナチズムを彷彿としたんですよ。後選民思想とか。人種差別とか。
故意的に作ってるとは思うけど、子供ってそこまでの話が理解できる気がしないから、どんな見え方してるのかなってとても気になります。アニメではあるけどストーリー重視の世界観だと思うしそもそも文字数多めの映画なのである程度大きくなったほうが楽しめる映画なのではと個人的には思いました。
一番気分の悪かったシーンはプロメテックエンジンが始動した瞬間。エンジンとなるためのコンベア的なもの恐ろしかったけれど、あのポットの光ひとつひとつに全部人が居るんやろ、って思うと鳥肌でしたし、そこから聞こえる悲鳴が本当にしんどくて。山の麓でひっそりと生きる小さな集落に襲いかかり凍結していく人々の手や表情が、現段階で死んでいるわけではないにしてもポンペイ遺跡とか原爆直後の話とかとも被ったりして…なんだか私の中ではすごくリアルだったんですよね、想像が。
同じ人間で、罪のない人も罪をこしらえ、
ただ作中での、「おんなじ人間なのに…」という言葉はすごく刺さる言葉だな
ただこれだけの妄想が走り抜けても作中では一切それに対する主人公達からの説教がないんですよね。そこが良い。当事者の苦しみはあり、他に方法はなかったのか。とは問いますが、全て観客の受け取り方に委ねます。の姿勢。むしろじゃあ自分がどうするのか、と言う姿勢。めっちゃ好感度up。言葉多く語らないのほんとかっこいい。
ありがちなのは門外漢の主人公が、こんなのおかしい、間違ってると自身を正義の立場から裁くことがすごく嫌なんですよね。だまれ小童。みたいな気分になる…
後いつも思うのは、どうしても自分はかられる側として想像してしまうんですよね。
時代劇を見るなら殿や武将ではなく、最初に殺されるか飢餓や伝染病で死ぬ一兵卒や、あるいは弾圧されて死ぬ農民。実験を行うなら、観測者ではなく被験者。なので今回も移入してみてしまうのは巻き込まれた一般市民もしくは、訳のわからないまま苦しんで死んでいく側。他の方の意見も聞いてみたいなと常々思っているのですが・・・どうなんでしょう?
宗教的な方向から見る
東洋思想的なプロメアの世界観。
「炎が灰へ。灰から土へ。魂が生きる限り体は永遠。」
バーニッシュの炎と地球の核がシンクロしている。
この辺りの捉え方が東洋的、天と人とは理を媒介にして一つながりだと考える 天人合一説や五行陰陽論的でたまらんよな、と思います。心のありようがプロメアと共鳴して宇宙や地核から取り入れたフレアが溢れる。天の荒と心のありようがリンクしている。生きている限りプロメアが身を守り、魂が消える時、体を燃やし尽くす。と言う魂の捉え方も中医学の気の捉え方とすごく重なるところがあり、気を補うために食べ物を食べているのは、ものすごく東洋的世界観の人間の捉え方なのではと思ったのでもう少し掘り下げたいところ…。
ギリシャ神話にあるプロメテウスの話では、プロメテウスが天界の火を盗んで人類に与えた人類は火を基盤に文明や技術の恩恵を受けたが、ゼウスの予言通り発展した文明は戦争になる。
言わずもがな、プロメアはプロメテウスの神話から題材と名前を得ていると思っているのですが、他にどう関連づけているのか少し気になって調べていると、デウス博士のデウスは神・天帝・創造主。といった意味があるようでまさにその名前にふさわしいキーパーソン。デウスエクス・マキナは「機械仕掛けの神」と言う演出技法のようです。
まんまだな。と思いましたが、名は体を表し物語は無事収束へこの終わりの雑さというか展開、シェイクスピアとかの終わりよければすべてよし的で好きですよ。
なんちゃらケンタウリも太陽系に近い惑星として存在するようで、パルナスス号もパルナソス山もありますね。そしてノアは突然の旧約聖書。特に深い意味もないかもですけど。他のキャラクターの名前も由来に意味があるのか、まだまだ考察はつきませんが収集付かないので今後の課題に。
▶︎追記
失念していましたが、プロメテウスは人類を作ったとされる人で、デウス・プロメスはそういう意味でも神的存在なのかな〜とか思ったり。他のキャラクターの名前もどうやら神々の名前から取っているものもあるようなのでもう少し調べたいです。
最後に。
最後のシーンの後のバーニッシュ達の精神状況や社会全体の復興。バーニッシュが存在することで成り立ってきた職業や経済効果はどのようになっていくのか…想像はつきませんが、この奥行きの深さがプロメアの魅力なんでしょうね。何を切り取っても深められてしまう。
IMAX4D
すごくよかったです。
初見だと見所も多いし、動きも落ち着かないので大変ではと思いますが、是非一度体験して欲しいですね。
風吹きすぎで寒いしやたらと顔濡れます。アトラクションのようで首がむち打ちになりそうですが、ストーリーの動きとよく合っている。
そういうわけでまだまだ観たいです。