bakunomiruyume

日々の好きなものを言葉に紡ぐ

『天気の子』見てきた。(微ネタバレ?)

今更ながら「天気の子」観てきました。

気にはなりつつもなかなか機会なく、結局見れないまま終わるんかな。って思ってたんですよね。

一週間前に見に行った友人にしらさわ絶対好きだぞ、なんならもう一回行くから一緒に行こうとゴリ押され、観に行ったのが火曜日。あれよあれよと言う間に2回目(MX4D)をその二日後に行くことになろうとは…。

 

 

結論から言えばよかった!の一言でした。

なんなら個人的には「君の名は。」よりも好きかもしれない・・・同じ世界線だからさらに妄想が広がるのもよき。さすが友人よくわかってる。

映画は結構周回してしまうたちなのですが、記憶力が良くないのでついつい辻褄とか考察したいがために通ってしまいます。

まぁそれでも結局見つつ思ったこと8割は忘れてしまうのですが・・・

これは自宅上映会などをしつつその都度メモしないと忘れんね。と毎回思ってます。

 

「自分のために願う」「自分のために生きる」

これが、この映画のテーマなのかなと思いました。エゴというよりは主体性を持つ的な。

ひなちゃんは他者の願いを叶え続け、その代償を自分で受けて人柱となる。他人に喜んでもらうことで肯定感を感じることは悪いことではないですが、主体性がないと消費されるだけになってしまう・・・。神主のおじいちゃんが言っていたように世界各国で自然を鎮めるために人柱は捧げられてきた歴史があります。そのことによって防げたもののあるかもしれないけれどそうじゃないものもたくさんあったと思います。

お天気ビジネスを辞めることを決めたのは賢明だなぁと思ったわけですが、仮に続けたとしても、最初は喜んでいたものが当たり前になった時、人はもっとを望んで、足りないことを攻めるかあるいは雨が降っているのもひなちゃんの責任にしたかもしれない。噂が噂を読んで、今は肯定的でもいつか畏怖の対象となり魔女裁判的なことになってしまいそう・・・。 結局人は自分には関係のないところの犠牲の上で成り立っていて「誰だってそうだろ」って言う須賀さんの気持ちもよくわかります。(自分以外の)一人が犠牲にあって世界が平和になるならそちらを選ぶのは当然と言えます。きっと知ってるけど知らないふりして生きていきますね。ただそれが自分の親しい人だったら?(この須賀さんの発言と亡くなった奥さんのことは色々考察できて楽しいのですが)

 

”自然を操ることには代償が伴う”という話で思い出したのは、祖父の家のある島の堤防でした。祖父の家の近くにある砂浜は外海側で、何十年か前に船着場を兼ねて堤防ができたことで潮の流れが変わり砂浜は削れて砂浜の手前にあった陸を削っています。きっと何十年、何百年も経てば祖父の家も海に沈むかもしれません。変わって反対側の端の砂浜には砂が増え陸地が増え続けています。

良かれと思って行ったことでも、長い目で見た時何が良かったかなんて結局わからなくて、自然の流れの中でも緩やかに変わっていくものですが、人の手が入ると急速に変化を遂げてしまう。そんなリスクが伴っているなと感じたことを思い出しました。

 

降雨装置と異常気象の因果関係とか、水爆実験などによる地震とかゴジラが生まれることもあながちSFとは言い難いのかも・・・?外来種の繁殖とか温暖化で沈む国とかの現状とよく似た在り方だなと。

 

結局ひなちゃん個人に押し付けて知らないふりをして、というのは形を変えて自治体、国、種族など様々なところで起こっていることとイコールのことかもしれないな・・・極論かもしれんけど。

”自分が我慢をすれば世界が平和になるなら”という自己犠牲の上に成り立つ世界は本当に平和なんだろうか。そんなことを考えました。”運命を受け入れる”を、ぶち壊し自分の未来を自分で切り広げたのがほだか君。ひなちゃんはほだか君がいなければそもそも消えることはなかったかもしれないけれど、逆にほだか君がいなければ帰ってくることはできなかった。それでも最後は自分で願わなければ叶わないことで、”雨が止まなくても、二人で狂った世界で生きていく”ことを願う。

 

いろんな自然災害があったりして、当事者以外の記憶は風化しても、現状を受け入れて立て直して生きていくしかない。

結局雨は降り続き、水没した東京で人間は工夫をしつつ生きていて、もしかしたら思ったより悪くはない未来かもしれない。今までの代償が払い終わった時また晴れるのか、あのまま緩やかに沈んでいき、そのまま違う生態系を営んでいくのか未来はわかりません。ハッピーエンドとも言い難いけれど、何を選んでも間違いではないし、正解でもないしじゃあ自分はどう選択するのか。本当に難しいこと投げかけてくる映画だなと思いました。

 

 

 

余談ですが年齢設定が絶妙で大人でもなく子供でもない。何かを社会的になしてくには難しい年齢というのも憎いなあと思います。

これが例えばほだか君が家出じゃなければ。ひなちゃんが自分で言った年齢だったらとか。そうしたらきっとこの物語は成り立たない訳で、「早く大人になりたいです。」は後から考えるととても重い。あと凪くんかわいい。

 

 

***

話は変わって4DX良かったです。

水が噴き出す時思わず顔をしかめるけれど、視点の誘導と椅子の連動とか雷、雨の演習とか本当に成るべくしてなったような、いい意味で臨場感が奥行きを作っていたので是非お勧めいたします。(想定して作っていたのかなと思ったりもします)

終わってから人生初のビッグマックを食べました。

 

 

個人的にはなんで須賀さんがオカルト雑誌の記事を書いているのか、奥さんかお母さん実は天巫女っだったのでは?とかネックレスとか指輪とか。なんで72(?)日間?とか。・・・めっちゃいろいろ考えていたんですけど、原作読んでいないので、とりあえず読んでみようと思います。全く頓珍漢なことを言ってるかもしれませんので。

話が収集つかなくなる前にこの辺で。